こんなに人気！平屋の需要拡大中
平屋の人気はとどまるところを知らず、いまだ高まり続けています。
居住専門住宅の着工棟数に占める平屋（1階建て）住宅の割合は、2012年時点では6.8％であったものの、棟数・割合ともに右肩上がりに増加し、2022年には13.5％に達しています。（10年間でなんと2倍近くもシェアを増やしました。現在の新築住宅の10件に1件以上は平屋という結果です。
日本全体での住宅の新築件数は少しずつ減少しているのですが、平屋については逆行して増加しています。まさに平屋ブーム真っただ中といえるでしょう！
資料：国土交通省『建築着工統計調査』
平屋のメリット
それでは平屋の具体的なメリットをみていきましょう。
移動がスムーズ
平屋のメリットはなんといっても移動がスムーズなこと。
階段による上下移動がなく楽なだけでなく、生活動線が非常に効率的です。
水回りやベランダがワンフロアにまとまり、掃除や洗濯、料理などの家事動線もコンパクトになります。
子どもや高齢者にやさしい
平屋は階段がなく、小さな子どもや高齢者にとっても過ごしやすい空間です。
また、妊娠中やケガをした場合にも安心度が高く、さまざまなライフステージの変化にも柔軟に対応できるでしょう。
コミュニケーションが取りやすい
平屋は階で隔てられることがないので、どこにいても家族の気配を感じることができます。リビングを中心に顔を合わせる機会が多く、コミュニケーションを取りやすいメリット間取りといえます。子どもが年頃になっても関わる機会を保ち続けられるのは、家族にとって大切なことです。
建物の構造が安定しやすい
平屋は二階建てのように高さがないため、安定しやすい構造です。
耐震性が高いだけでなく、台風や豪雨のあおりを受けにくいこともあり、万が一の災害時にも安心できる住まいとなるでしょう。
庭を感じやすく開放的
平屋は外構に接する面が広いため、存分に庭を楽しむことができます。
ウッドデッキやテラスを設けてBBQを楽しんだり、子どもやペットの遊び場にしたり、家の内外を行き来しやすいため、第二のリビングのような活用が可能です。
災害時にすぐ外へ避難できるのも魅力的なポイントですね。
メンテナンス費用が抑えられる
いずれ必要になる屋根や外壁のメンテナンス。
2階建て以上の戸建て住宅では、通常大掛かりな足場を設置して行います。しかし平屋は簡易的な足場で済むケースも多く、大幅なコスト削減につながるでしょう。
また、一般的には専門業者に依頼が必要な雨どい掃除や外壁洗いでも、自身が脚立などを使用して簡単に行えるケースがあります。
平屋のデメリット
一方で平屋のデメリットはどんなことでしょうか。詳しく見ていきます。
広い敷地が必要
平屋を建てるには二階建ての倍の敷地を必要とします。
都心部では住宅密集地では希望の広さと金額に見合う土地を見つけるのが難しく、郊外や地方を選択しなおすというケースも少なくありません。
坪単価が高くなる
平屋で二階建ての家と同等以上の延べ床面積を確保しようとした場合、工事単価の高い基礎や屋根の面積が倍増します。結果として、二階建てに比べて平屋は坪単価が高くなる傾向にあります。
日当たりや通風に工夫が必要
平屋は全ての部屋をワンフロアで完結するため、中心部に光や風が届きにくくなる可能性が高まります。
中庭を取り囲むロの字型やコの字型の間取りにしたり、天窓や高窓、吹抜けを設けたりするといった工夫が効果的です。
プライバシーや防犯面に注意が必要
すべての部屋が一階にある平屋は、プライバシーや防犯面での注意が不可欠です。
立地によっては通行人の目が気になることもあるでしょう。また、留守中や夜間に侵入されやすいのではと心配に感じるかもしれません。
対策としては、家の大きな開口部と道路を接しないようにする、外部からの目線が入りやすい箇所に塀や植栽を設置する、防犯カメラやセンサーライトを設置する、といった内容が考えられます。
平屋を建てるのに向いているタイプとは？
メリットとデメリットの両方を考慮して、平屋の暮らしをおすすめできるタイプは以下のような方です。
・平屋を建てても窮屈にならない土地がある
・生活動線の効率性を重視したい
・家族の親密度を高めたい
・バリアフリーの家に住みたい
・庭を楽しみながら暮らしたい
・郊外や田舎の暮らしを楽しみたい
平屋は二階建てにはない魅力にあふれています。
特に庭と建物の関係性はすばらしく、のびのびとした開放的な暮らしを手に入れることができるでしょう。
しかし、平屋のメリットを最大限活かすためには、土地の選定や家族のライフスタイルへの考え方など、いくつかの問題をクリアしなければなりません。
また、設計に工夫が必要な平屋は、実際の住みやすさが設計士の腕に左右されるといっても過言ではありません。間取り図面だけで判断するのではなく、CGモデルや模型によって、光の入り具合などを細かく検討することが大切です。
どうしても間取りの要望が平屋では解決できないケースもあります。その場合は、一部二階やロフトを設けることで解消できる可能性も。平屋にこだわらず柔軟に計画を進めましょう。
まとめ
人気が高まり続ける中で多くの方が検討する平屋ですが、メリット・デメリットをしっかり把握することはとても大切です。
ライフスタイルだけでなく、庭木をメンテンナンスできるのかといった細かい暮らしのイメージを持ちながら、平屋が本当にベストな選択なのかを検討してください。
あなたが本当に合ったタイプの住まいを選択できれば、マイホーム計画もその後の暮らしもワクワクして充実したものになるでしょう！
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