地盤調査の方法はさまざまありますが、一般的な木造一戸建てを建てる場合の地盤調査は、先端がスクリュー状になった棒を回転貫入させて行うスウェーデン式サウンディング試験というものが使われるのが一般的です。地盤調査の結果は、調査報告書は概ね1週間ほどで届きますが、地盤調査報告書は専門用語が多く、一般の方が見てもわからないことがほとんどです。改良の必要がなければよいのですが、調査の結果、改良判定となった場合に知っておりて頂きたい事があります。それは、改良の種類とデメリット。
地盤改良の種類
地盤改良工事の種類は大きく分けて、セメントで地盤を固める「表層改良工法」、金属の鋼管杭を打込む「鋼管杭工法」、セメントの杭を埋め込む「柱状改良工法」、柱状砕石パイルを途中に形成する、「ハイスピード工法」、の4種類があり、それぞれ地番調査結果からその土地に適した工法を採用します。
メリット・デメリットを知り改良方法を選択しよう!
柱状改良(ちゅうじょうかいりょう)は、最も一般的な工法であり、多くの地盤業者で取扱われています。現地の土とセメント系固化材を混合して、地盤内に柱状の補強体を築造し、建築物を支えます。シンプルな工法であるがゆえに施工業者の経験値や、技術の差が出やいなど、様々なリスクがあるため詳しくご紹介します。
柱状改良工法のメリット
メリット①工事の費用を抑えられる
シンプルな工法である為、地盤改良工法の中でも費用を抑えられる工法の一つになります。
メリット②支持層がなくても施工できる場合がある
柱状改良杭は、杭の先端を固い支持層まで到達して得られる先端支持力と、補強体の周面で得られる周面摩擦力によって建築物を支えます。柱状改良杭は軸径が大きい為、周面摩擦力も大きくなり、地盤によっては支持層がなくても周面摩擦力だけで、建物を支えることができる場合があります。
柱状改良工法のデメリット
デメリット①固化不良のリスク
柱状改良工法は、現地の土とセメント系固化材を混ぜ合わせて補強体を築造する工法です。セメント系固化材には、固化し難い土が種々あり、特に酸性が強い土はセメントの固化を阻害します。火山灰質粘性土(いわゆるローム)や腐植土などは酸性が強く、多くの地域で蓄積しています。固化し難い土質に相性の悪いセメント系固化材を使用すると、固化不良を起こし、強度不足から、建物の不同沈下を引き起こす要因になります。
デメリット②六価クロムが発生するリスク
六価クロムは発ガン性物質で、壌汚染対策法で定められた特定有害物質です。柱状改良工法では、現場の土の特性と混合させるセメント系固化材の相性によって、六価クロムが(環境基準値を超えて)溶出するリスクがあります。六価クロムが溶出するような土質では、事前に土と固化材の相性を確認する六価クロム溶出試験を行い、環境基準をクリアできる固化材を選ぶ必要があります。
デメリット③セメント杭・鋼管杭は産業廃棄物
役目を果たしたセメント系柱状杭や鋼管杭は地中にそのまま残っていると地中埋設物として撤去する必要があります。そして、撤去されたセメント杭は産業廃棄物として適切に処分しなければなりません。つまり、将来立て替える時には莫大な撤去費用(一般的に作るときの3〜5倍かかるといわれています。)がかかります。何も知らず、言われるがままに改良工事を行ってしまうと後でこのようなリスクがあると怖いですね。
メリット、デメリットをきちんとお伝えし地盤改良方法をご選択いただいています
工法によりメリットデメリット、金額も様々です。何も知らず、言われるがままに改良工事を行ってしまうと、後で知らなかったリスク(固化不良や土壌汚染や、資産の目減り等)が発生することがあります。地盤調査結果に基づき、土地形状や高低差なども鑑みながらどの地盤改良工事を選択するしっかりと検討しご選択いただいております。
ハイスピード工法のご案内
一般的な柱状改良のデメリットである固化不良や土壌汚染や、資産の目減りなど問題点についてご紹介しましたが、そうした問題を一掃する、天然砕石のみを使用した新工法「HySPEED工法」をご紹介いたします。
ハイスピード工法とは
砕石パイルをその地盤にあうように確実な施工で1本づつ造り上げ、砕石パイルと砕石パイル周辺の地盤の支持力を複合させて、 地盤の支持力を高める地盤改良工法です。
ハイスピード工法をお勧めする理由
①地震時の衝撃に強い
砕石パイルと現地盤で複合的に面全体で建物を支えるので、安定した強さがある。
②環境への配慮
天然の砕石しか使わないので、土境汚染や環境破壊による周辺地域への悪影響を起こしません。
つまり住む人の健康被害を起こしません。
③産廃費用が発生しない
産業廃棄物(コンクリート、鉄パイプ)として扱われないので、将来取り除く必要がありません。
④リユースで地球に優しい
将来家の建て替えをするときも、同程度の家であれば繰り返し使えます。
⑤液状化を防止
地震時の液状化をドレーン効果(排水効果)により阻止します。
⑥無公害工法
今まで施工が出来なかった地下水の多い地盤やセメントの固まらない腐植土の地盤、六価クロムの出る火山灰の地盤でも、問題なく施工が出来ます。
⑦遺跡になる工法
セメントや鉄パイプのように劣化したり、錆びたりしない、永久地盤工法です。
等々、多くのメリットがございます。セメント柱状杭、鋼管杭と比べると「地盤改良」の費用は5%~10%高くなることがありますがHySPEED工法の砕石パイルは将来の撤去や浄化の費用が発生しないのでトータル的にメリットの方が大きいのではないでしょうか。さしたる理由も無く、またリスク説明も無く、セメント杭をお進めされたら他に方法がないか確認されてみてください。