一戸建てのメリット
マイホームとして一戸建てを選択するメリットは、大きく分けて下記の5つがあります。
・騒音トラブルが起きにくい
・自由な家づくりが可能
・専用の庭や駐車場を持てる
・管理費・修繕積立金がない
・土地が資産になる
マンションと比較しながら、1つずつ詳しく解説します。
1)騒音や振動によるトラブルが起きにくい
隣の家との間にある程度の空間を持たせられる一戸建ては、マンションと比較して騒音トラブルが起きにくいというメリットがあります。
マンションは上下左右に音や振動が伝わりやすく、隣近所に迷惑がかからないように気を使わなければなりません。仕事で帰宅が遅くなる家庭の場合、夜間の生活音は想像以上に響きますし、子供のいる家庭の場合は夜泣きや室内を走り回る音などが原因となり、ご近所との関係性が悪くなってしまったという話も耳にします。
一戸建てを選択することで、騒音や振動を必要以上に気にすることなく生活することが可能になります。子供がのびのびと成長できる環境を整えるほか、ペットの飼育もできるようになります。
自分は特に気にならないと感じていても、知らず知らずのうちに加害者になっている可能性があるのが騒音や振動のトラブルです。家族構成や生活リズムによっては、マンションよりも一戸建てを選んだほうがご近所と良好な関係を築けるでしょう。
2)専用の庭や駐車場を自由に作れる
敷地内に専用の庭や駐車場を自由に作れるのは、マンションの購入では手に入れられない大きなメリットだと言えます。
専用の庭はさまざまな用途で自由に活用できます。洗濯物を干すのはもちろん、ガーデニングをしたり大きな犬を飼ったり、子供のいる家庭では夏にビニールプールを出して遊ぶことも。また最近では家庭でBBQを楽しむ家庭も多く、親せきや友人との交流の場にすることも可能です。
またマンションで自家用車を所有しようとすると、別途駐車場の契約が必要になります。毎月駐車場代の支払が発生するだけでなく、新築マンションの場合は抽選の結果借りられないというケースもあります。一戸建てで敷地内に専用の駐車場を作れば、別に駐車場を借りる必要がありませんし、ガレージを作っておけば倉庫として活用することも可能です。
3)土地が資産になる
建物と土地を合わせて購入する一戸建ての場合、マイホームを取得してから長い年月が経っても土地が資産として残るというのは重要なポイントです。
建物は新築から年数を経るごとに価値が低下していき、一定期間が経過すると資産価値がゼロになってしまいます。マンションのほうが建物の資産価値の減少速度は遅いですが、マンションが建っている敷地の資産としての自由度が低いため、手放す際には建物の資産価値がゼロになる前に売却を検討しなければなりません。
それに対して一戸建ての場合は、マンションと比較すると建物の資産価値の減少速度は速いですが、土地の価値はよほど大きな経済状況の変化や土地の価格変動が起きない限り減少しません。それどころか周辺の再開発や新しい施設ができることで価値が上昇するケースもあり、価値が安定した資産として保有し続けることが可能です。
4)自由な家づくり
一戸建てと聞いてまずイメージするのが「自由に家づくりができること」という人も多いでしょう。
注文住宅でマイホームを建てるのであれば、間取りやデザイン、使用する素材や導入する設備など、すべて自分好みにカスタマイズできます。家の真ん中に広いリビングを作って家族団らんの時間を充実させてもいいですし、木目調の素材を多く使用してナチュラルで温かみのある空間を目指したり、吹き抜けを作って開放感のある明るい室内にしたりと、住む人の好みやライフスタイルに合わせて唯一無二の家を建てられるのは、注文住宅を選択する最大の魅力とも言えます。
またマンションの場合は管理規約によってリフォームに一定の制限がある場合もありますが、一戸建てであればリフォームだけでなく増改築や建て替えも可能。設備を最新のものに入れ替えて省エネ性能を高めたり、老後を考えてバリアフリーな室内にしたりと、メンテナンスやリフォームによって長く快適に暮らせるという点もメリットです。
5)管理費・修繕積立金がない
マンションを購入すると、毎月のローン返済とは別に管理費や修繕積立金を支払わなければなりません。
管理費や修繕積立金は、マンションの定期的な改修や修繕のために積み立てておくもので、入居者全員が支払わなくてはならないものです。金額はマンションによって異なりますが、1ヶ月あたり2~3万円程度になるケースが多いようです。
管理費や修繕積立金を支払うことで、管理会社が共用部を掃除してくれたりエレベーターなどの設備が故障したら直してくれたりと、住環境が快適かつ安全に保たれるという利点はありますが、毎月の出費ともなると負担に感じる家庭も少なくありません。
一戸建ての場合はこうした管理費や修繕積立金の支払いがない分、毎月の支出を抑えることが可能です。
一戸建てのデメリット
自由度の高い住まいを作れることが魅力の一戸建てですが、マンションと比較した際に感じられるデメリットもあります。
1)維持管理は自己責任
一戸建ての維持管理はすべて所有者自身で行わなければならないという点は、マンションを購入する場合との大きな違いです。
建物の耐久性や耐震性は、どれだけ適切な管理を行うかによっても左右されます。破損したり塗装がはがれたりした部分をそのまま放置しておくと、雨漏りや地震発生時のひび割れなどを引き起こしかねないため、定期的な検査と必要に応じたメンテナンスを行う必要があります。
マンションとは異なり、毎月管理費や修繕積立金を支払う必要はありませんが、補修や修繕の際にまとまった出費が発生することもあるため、自分自身で計画的に貯蓄しておくようにしましょう。
2) 防犯上のリスクが大きい
一戸建てはマンションと比較して、防犯上の不安が大きいという点はデメリットと言えます。
マンションの場合は防犯カメラやオートロックといった防犯設備が充実していることが多く、また上層階であれば窓からの侵入のリスクも低いため、家を空けている時間が長い場合でも安心して生活できます。
それに対して一戸建ては玄関が1階に面していることがほとんどで、さらに空き巣の侵入経路になる窓が多くあることから、長期間家を空けることにはリスクが伴います。
そのため一戸建てを建てる際には、道路から家の中が見えないように玄関の角度を工夫する・防犯性の高い窓ガラスを使用する・玄関先に防犯カメラを設置するといった、所有者自身による防犯対策が不可欠です。
3)階段がストレスになる
一戸建てというと2階建てや3階建てをイメージする人も多いと思いますが、階段があることによりストレスを感じる場合もある点は押さえておきたいところです。
毎日の掃除や洗濯といった家事をスムーズに行うためには、家事動線に配慮した間取りにすることが重要です。どのような流れで家事を行うのかがイメージされた間取りになっていない一戸建ての場合、無駄に階段を上り下りしなければならず、快適な住環境とは言えなくなってしまいます。
また高齢者が住む場合は階段があることで、部屋の掃除や家事が億劫に感じられるだけでなく、怪我をするリスクも想定されます。
将来の生活を想像して階段をなくしたいと考えた場合には、敷地面積に余裕がある場合は2階建てではなく平屋の戸建を検討したり、予算に余裕がある場合は家庭用エレベーターの導入も視野に入れたりするといいでしょう。
一戸建ては自由な家づくりをしたい人におすすめ
理想とするライフスタイルや家族構成、趣味や仕事など、暮らし方に合わせた自分だけの住まいを作れることが一戸建ての魅力です。
建物の維持管理や防犯面など不安要素も浮かんでくるかもしれませんが、最近では耐久性・耐震性の高い構造を採用したり、壁や床にお手入れの簡単な素材を使用したりと、以前よりも長く快適に暮らせる注文住宅を購入できる機会も増えてきました。
注文住宅のプランや構造、仕様や設備は住宅会社よって異なるため、理想の住まいが実現できるか、実現するにはどのような方法があるのかを知るためも、最初のうちはいろいろなハウスメーカーに相談してみることをおすすめします。
住宅会社ごとの価格や得意なテイストの違いだけでなく、担当者の対応や入居後のアフターフォローも含めて比較し、安心して夢のマイホーム づくりを任せられる会社を探しましょう。